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ここだけのはなし

10人見れば、10通りの解釈がある。日常にてふと思ったことを自分なりに綴ります。

僕が税務署で出会ったオジさん

エッセイ・随筆
武器, 暴力, 子供, 子, 危険, 戦争, 無罪
 
僕も個人事業主の1人となったので、人生で初めての確定申告を行うことになった。
 
初めてのことで分からないことばかりだったが、知人やネットにある情報を元に申告書を作成した。今では無料の帳簿ツールがあるし、国税局のほうで申告書作成ページも用意してある。源泉徴収票や支払調書に基づいて、用意してあるフォームに記入していけば簡単に作成できるようになっている。
 
この国税局が用意したフォームのすべての部分に満足したとは言えない(とくに、用語などにかんする説明は不十分に感じたこと)。でも、自分が思っている以上に簡単だったし、税金にかんしての勉強になった。
 
ただ、自分が初めて作成した申告書に不備があってはいけないと思い、念のため税務署の「無料相談」にて確認をしてから提出することにした。
 

税務署にて出会ったオジさん

 
僕と同じような考えの人が多いのか、確定申告時の税務署は人であふれていた。待機用のパイプイスがエントランスいっぱいに敷き詰められ、空いている方が少ないほどに埋まっていた。
 
受付で相談内容を告げると、番号札を渡されて待つことになった。その間、後ろの席でオジさんがオバさんに話しかけているのが聞こえてきた。粗野で、税務署には似つかわしくない声で。
 
「なんでこんな確定申告は面倒なんや。申告書以外に調書や明細書必要とか。なかったら『持ってきてください、国で定められているので』の一言で終わりや。もっと気ぃ使われへんのか」
 
あまりに騒がしいので耳を塞ぎたかったけれど、概ねこんなことを喋っていた。ぼくが嫌いなタイプの代表格だ。別にオジさんが嫌いではないけれど、どうしてもこの類の人はオジさんに見られるのだ。
 
確定申告を作っている過程で、源泉徴収票や支払調書を使うのだから、税務署にて必要とは考えなかったのだろうか。金銭や公共の手続きなのだから、ハンコがいることだってわかるだろう。こんなこと、作成していればわかることである。だが、往々にして公共の手続きで文句を言う人は、仕事場で「なんでこんなこともわからない」と、部下に自分の思想を押し付けているのだと思うと、僕の胸はムカムカする。
 
「最近の若い人は」という人は、どこかで「あのオヤジは」と言われているだろう。「なんでこんなこともわからない」という人は、結局のところ狭いテリトリーでしか物事を見ていないからそんな台詞が出てくるのだ。「こんなこともわからない」と思うのならば、自分でわからない人に説明をすればいい。結局は、その努力をお互いに放棄しているだけのような気がする。
 

公共機関だって変わってきている

 
たしかに、公共機関は気が利かないところもある。しかし、以前に比べればグッと利用しやすいイメージを受ける。
 
以前、健康保険のことで市役所を利用したときも、職員の対応はコンビニよりも人当たりがよいが、顔見知りの店のような馴れ馴れしさもなかった。利用者しやすいと感じる時は、きちんと話しを聞いた上で対応してくれる職員である。しかし、利用しづらいと感じるのは「そんなこともわからんのか」と突き放すオジさんだった。そのときは、健康保険のことについては何も解決しなかった。
 
「現在、妊娠中です。保育園のことを知りたいのですが……」と切り出しましょう。係員によって当たり外れはあります。どこに住んでいるのか、いつ生まれるか、いつ復帰するのかなど質問してくれて、どうしたらいいか親切に教えてくれるようなら「当たり」です(ただし、4月入園申請受付の時期である11、12、1月は窓口が混むので、細かい相談には乗ってもらえないかもしれません)。
 
僕は以前、待機児童のことについて執筆したことがある。ここで待機児童のことについて書けば長くなりそうなので控えるけれど、待機児童が減らない理由は役場の絶対数ではない。きちんとした手続きができないまま追い返される保護者がいることも問題なのだろう、と僕は思っていたりする。
こうしたことは役場だけではないのだろうけれど、市民に助力する役場員に当たり外れがあるというのは、なんとも悲しいことである。
 

子どもの数よりも、これからのオジさんの数も問題

 
人ごみの税務署でも、僕はすべての書類と必要品を用意していたので30分足らずですべての手続きが終わった。
 
帰り際、受付のあるエントランスを見ると、オジさんは職員と何か言い争いをしていた。あのオジさんは、あと何回税務署を訪れて、何回職員に愚痴をこぼすのだろうか。職員のことを思うと道場なんて言葉では表せない哀愁が漂った共に、税務署で見た粗野なオジさんたちが日本の高齢者の大部分を占めると思うと、僕はゾッとした。
 
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