ここだけのはなし

10人見れば、10通りの解釈がある。日常にてふと思ったことを自分なりに綴ります。

【1000字コラム】仕事なんて地味でいい

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取材をしていて思うのだが、仕事なんてのは生活するためにあるのだとほとほと思う。

 

こんな妙ちくりんな仕事をしている人間が言っても説得力などないかもしれないが、それでもこれは厳然たる事実で変えようのない現実だと思うのだ。

 

だから、よく言われる「自己実現」や「楽ができるから」とか、よくわからない「幸せ」と言った大義名分で仕事をする意味がよくわからないのである。

 

じゃあ私が今の仕事をしている理由と聞かれれば、それは生活の他に理由はない。よく「夢叶えたんですね」のようなことを言ってくださる方もいるが、それはあまり本質を捉えたものではないと感じる。残念なくらいに、自分には書くこと以外で収入を得る想像ができなかったから、その仕事をしているにすぎない。

 

仕事を決める際、みんなはどのように決めているのだろうか。

 

私の場合は学生時代にリーマンショックがあっただけでなく、言わば「ゆとり世代」と大人たちがいう教育によって、「バブル期」と次の時代の中継ぎのような世代として育てられた。時代が大きく移っていく中で、大人たちもこれからどうしていいかわからなかったのが、そのまま形になった世代でもある。

 

もちろんすべての子供がダメというわけではもちろんなく、きちんと仕事を見つけて働いている人も多くいる。問題なのは「失敗」を認めたくないために「ゆとり」なんて括って報道することだ。これではしっかり働いている同世代に申し訳ないし、大人たちは罪悪感を抱かないのかと疑ってしまう。

 

とにかくそんな世代の人間で、その環境で私が考えたのは「何をしようか」よりも「どうやって生きていこうか」ということである。バダバタと仕事先が無くなる中で、どうすればインチキのような教育を受けた自分が生き残れるのか。この一点ばかり考えていた気がする。

 

私の受けていた教育では、受け皿の職場が一定の雇用数を確保できることが前提としてあったと思う。しかし、それができないのに「とりあえず大学」なんて言われて進学し、その言葉を鵜呑みにしていた自分は反省すべきだと今でも思っている。

 

だから、今さらバブル期や団塊の世代を責めるつもりはない。

 

彼らに謝罪や責任を求めて解決するのであれば、すでにこの世は何らかの変化を見せているはずだ。それがないのであれば、そんな無駄なことはするべきではないだろう。怨みがないと言えば嘘になるが、それでもすべきでないのは、先代をただ恨むと共に「夢」だけを語ることだろう。

 

「夢」とは現実にないものである。しかし、人に強い希望を抱かせるものだ。夢や希望は必要だと思う。問題なのは、その夢を叶えることに囚われて、生活が成り立たないことである。

 

例えば、自分よりも上の世代をひがむばかりの仲間だけを集め、仲間だけで新しい「夢」のある事業を始めたとする。それ自体はいいことかもしれないが、果たしてそれは誰かの「夢」になるのだろうか。

 

私が思う「仕事」をしている人は、別の誰かに希望や夢を与えているように見える。それが私の「仕事」に関して大きく抱くイメージで、そんな仕事ほど地味で、生活に根付いている。

 

現代では本当にさまざまなサービスが生まれていて、何でも仕事にしようと思えばできる。だが、その仕事をしようと思うとき、それが自分の肥やしを増やすだけのものなら、おそらく誰も付いてこないだろうし、ファッションとして扱われて終わるだろう。

 

「書く仕事」は減ったとしても「想いに輪郭を与える」ことに終わりはないだろう。

 

今では自動手記や音声入力の技術が発達しているが、それによって自分の立場が脅かされるとは思っていない。それは別に今の仕事にプライドがないというわけでなく、むしろ「胸に詰まる想い」を形にすることが、自分の仕事だと思っているからである。ただ書くだけならは誰にだってできるだろう、しかし私がしているのは、思いを伝えるための「フォーム」作りである。こうした本質に触れられるかどうかが、仕事を選ぶ際に一番大事なのではないかと私は思ったりする。

 

個人だろうと勤め人であろうと、仕事を決める際には色々な理由や思いがあるだろう。しかし、その前に自分が今できることと本質を掴むこと、その仕事で将来どういう生活をしたいかを考えるほうが、世界平和や幸せよりも大事ではないかと思ったりする。私ならば、そうした部分を元に仕事を選びたい。

 

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