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ここだけのはなし

10人見れば、10通りの解釈がある。日常にてふと思ったことを自分なりに綴ります。

【インタビューコラム】愛媛で個人事業を営んでいる便利屋に話を聞いてみた

エッセイ・随筆

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愛媛を中心に「便利屋」として活動している石田和久さん。

 

地域に根差しながらさまざまな仕掛けを考え、

 

他の人ならば絶対に実行しようとは思わないような

 

企画を実現してしまう人である。

 

そんな石田さんと久々にあったある日のことを、

 

コラム調にてつづってみた。

 

1 愛媛の便利屋・石田和久さん

 

僕が街中にあるカフェで待っていると、先方はスーツを着てやってきた。僕はその人のスーツ姿をあまり見たことがなかったので、少し新鮮な気持ちになると共に、襟のない服の首元を正そうとしていた。

 

会う約束をしていたのは、個人事業主として活動している石田和久さん。彼は「ハンディーマン」という屋号で、本当にいろいろな仕事に関わっている。彼が本業として何をしているのかわからなくなる時もあるが、主にイベントの企画や運営をしている。いわゆる事業支援のようなことをしているイメージがある。

 

2 石田さんは掴みどころがない

 

仕事のイメージかもしれないが、僕は石田さんの本質というものを本当につかみきれない。それは決して仕事がいい加減とかではなく、既成概念だけで話をしないからだと思う。

 

石田さんは元々広告業界に所属しており、その中で「広告」という媒体自体に疑問を持つことが多かったらしい。それは地方だからとかではなくて、従来のものに沿って広告を作るといった、テンプレートに対する疑問に近かった。

 

「シニカルというか、アイロニーに富んだものがないよね」

 

今の日本CMの話をしているときでも、石田さんは皮肉めいたことアイデアを出すことが多かった。僕自身もアイロニーな発想は好きなのだが、彼のその発想がどこまで本気なのかわからないときがある。でも、それが人の心を動かすことがあるのを、石田さんはどこかで知っている。それに、僕自身は石田さんの固定概念に捉われていない話が好きだった。

 

アイロニーな発想が必要だと思うのは文章を書いていても思うところで、何も書いたことがそのまま事実として伝わるわけではない。宣伝は商品などを伝えることが本来の意味だと思うが、今のCMのように白いテロップだらけの宣伝で何が伝わるのか。僕にはわからない。

 

3 露骨に事業主の人が宣伝する劇とか面白いと思わん?

 

石田さんはたまにだけど、僕にそんな提案をしてくれることがある。その話とは、愛媛にいる様々な事業主に参加してもらい、その中で自分たちの事業をアピールする短編のストーリーの企画だった。僕は笑いながらおもしろいですね、と応えると共に、本気でするならば監督や撮影できる人がほしいですねと言った。

 

でも彼は、それぐらいの劇薬がないと地域で活動することは難しいし、アピールにならないと考えている。それに、もし本気で短編ストーリーが実現するとなれば、多くの人が参加できる大きなイベントになる。短編ストーリーの具体的な内容や、その規模を膨らませる石田さんの話を聞いていると、ただふざけているだけには思えない自分がいた。

 

まるで飲み屋での会話のような話をしていると思うと、その流れで自身の仕事のことを話してくれることがあるし、現代の商品ニーズや需要に関して真面目に討論することがある。スーツを着たこの男の思考回路がわからない。でも、それこそが石田さんの最大の魅力なのだと僕は思う。

 

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