ここだけのはなし

10人見れば、10通りの解釈がある。日常にてふと思ったことを自分なりに綴ります。

線路は続かない、どこまでも・7

 

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7・

 

 俺が異形の存在の出現に困惑している間に、

 

彼らが乗っている電車は走り出してしまった。

 

誰もその電車から降りること無く、

 

乗り込むこともないまま発車してしまった。

 

俺は何もできないまま、

 

その場に立ち尽くしてしまう。

 

これから何をしていいのかもわからない。

 

この気持ちは、まさに大学4回生に

 

就活しているときと全く同じで気持ちだった。

 

何も知らず、何者にもなれない俺は

 

ただ大学に行って勉強するしかなかった。

 

そうやって大多数に混じり、

 

何とか生きていくしか方法がないと思った。

 

しかし、そんな慎ましい生き方も、

 

とある国が咳込んだだけで

 

簡単に崩れ去ってしまった。

 

俺たちのような「勉強してなさい」と

 

刷り込まれた子どもたちは、

 

考えることを放棄してしまった人間は、

 

考える葦以下だった。

 

ならば群れれば。

 

群れていれば、多少は危険なことからも

 

守ることができる。

 

しかし、俺にはそれができなかった。

 

他の人と同じようにすることができず、

 

集団から漏れて、孤独になった。

 

自分が選んだわけではない。

 

ヌーの群れから離れてしまう

 

弱い個体のように、俺は落第したのだ、

 

俺は先ほど走り去った電車を今更

 

追いかけ出すため、足を動かし始める。

 

しかし、今更走ったところで

 

追いつくわけもない。

 

人より鈍臭いのに、

 

他の人に追いつく為に

 

同じ速度で追いつくわけがない。

 

相手は澄ました顔で、同じ速度で

 

トクトクと走っている。

 

何事もないように走っている。

 

俺にはそれが無性に腹正しいと共に、

 

無性に羨ましくて、

 

走っているのか泣いているのか、

 

わからないほど息が荒くなって、

 

しまいにはこけてしまい、

 

ブラックアウトする。

 

……暗転。

 

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